非居住者の海外送金とマイナンバー その1

先日、新生銀行から手紙が来ていると実家から連絡があった。 内容を聞くと、私が利用しているGoRemit海外送金サービスについて、マイナンバーを登録せよとのこと、登録しない場合は2019年1月1日以降は送金が出来なくなるとのことだった。

1995年から海外在住で、転出時に市役所に非居住者の届けを出している自分は 国内に住民票がないため、マイナンバーは通知されない。 したがってこのままでは2019年になると海外に生活費を送金することができなくなってしまう。 ほかの金融機関の情報も調べたが、いずれも横並びのようで困ってしまい、まずはマイナンバー総合フリーダイヤルに電話して問い合わせてみた。 http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/

電話がつながった先は 内閣官房番号制度担当室 で、事情を説明し対応を尋ねたが、曰く内閣官房のほうでは金融機関に対して海外送金時にマイナンバーを要求するように指示をしていないので、金融機関の直接問い合わせてマイナンバーに変わる別の方法があるか聞いて欲しい、との返答だった。 そこで、同ウェブページ内にある「金融機関における非居住者が行う国外送金手続とマイナンバーについて」(この文書は非居住者が海外から日本に送金する際に、日本の金融機関にマイナンバーの登録がないと着金を受け付けない事例が多数あったために発行された文書だと思われる)は、なぜ内閣府番号制度担当室と金融庁総務企画局政策課の連名で発行されているのかを聞いてみた。 こちら日本国内の金融機関の本支店に開設された預貯金口座宛に、「日本国外から送金が行われた場合において、送金者が非居住者であること、又は送金の受領者が非居住者であることによりマイナンバーを有しない場合、マイナンバーがないことのみを理由として、金融機関が当該海外からの送金、又は当該送金された金銭の払出しを拒否することはありません。がその文書だが、内容は以下の通りである。」

これは海外→日本の送金に関するもので、これと逆に日本→海外版の文書を出してくれればすべて解決だと思うのだが取り合ってくれず、この文書が発行された経緯もよく理解していないようだった。 その後いろいろ話したが解決策は見いだせず、電話は別の部署に回されることになった。

電話が転送された先は、金融庁金融サービス利用者相談室で、概略上記と同じ話をしたのだが、担当の方の話では、金融庁が銀行など金融機関に対して海外送金時にマイナンバーを求めるよう指導したことはなく、各銀行が自分の判断でやっているのだと思うので銀行と直接交渉してほしい、あるいは相談室のほうから銀行に対し、利用者からこういう要望があったと伝えることは出来る、また情報は金融庁内で共有する(改善は約束できない)とのことだった。 マイナンバーを要求するのは各銀行が勝手に判断したこと??との疑問を何度もぶつけたが回答は変わらぬまま、なにか確証がないかと最初のリンク先のページ内の文書を見ていた所、「預金口座へのマイナンバー付番」という文書を見つけた。

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画像は文書の一部だが、「預金者は、銀行等から、マインアバーの告知を求められる ※法律上、告知義務は課されない」となっている。 しかしその上の銀行等の部分には、国税通則法改正として、「預金情報をマイナンバーにより検索可能な状態で管理する義務を課す」となっている。 つまり、銀行は預金者にマイナンバーの通知をしてもらわないと国税通則法違反となってしまうということか?

この文書を元に電話中の金融庁金融サービス利用者相談室担当者さんに対し、国税庁や内閣府番号制度担当室とも情報を共有して改善を働きかけてくれないかとお願いしたが、情報は同じ省庁内(金融庁内)だけしか共有できない、と言う。 すでに一時間近く話合ったが、この時点で”お役所仕事に期待しても無理。非居住者は税金を払ってないからほったらかしなんだ”という考えに至り、電話を一旦切って、今度は各省庁お勧めのように新生銀行に直接電話をしてみた。

で、あっけなく結論が出たのだが、「GoRemitサービスは日本に居住する方が対象のサービスで、非居住者はご利用いただけません。」。 GoRemitサービスの規約を確認したが、確かにそう書いてあったのでもう降参です。(GoRemitはもともとロイズTSBバンクが運営していたGoLloidsというサービスで、自分はそこで登録をしたのだが事業が新生銀行に売却されたのだが、その時点で規約は確認していなかった)

ということで、基本的に非居住者である私が海外送金する道を絶たれてしまったのだが、別の方法を見つけたので次回紹介する。

 

 

非居住者の海外送金とマイナンバー その2(7/21追記)

前置きが長くなったが、非居住者の私はこれからどうやって日本→海外の生活費送金をすればよいか、いろいろ探しまわって見つけたのが TransferWise の送金サービスだった。※こちらのリンクから利用していただくと、初回1000ポンド相当額までの送金手数料が無料になります。

海外では有名なようだが、日本語ページがないこともあり日本人には馴染みがないサービスで、本当にちゃんとお金が届くのか恐る恐る試してみたところ、無事4日目に指定の海外口座に入金が完了した。 なお、初回利用時には本人確認の書類や誓約書の提出があるので4日かかったが、恐らく二回目以降はもっと早く入金処理されると思われる。 書類提出も、日本の金融機関のように封書で送られてきた文書に署名捺印して封書で送り返す、という手間もなく、すべてオンラインで完了できるので思い立ったその日から利用可能で大変便利でお勧めである。

※後日、日本の実家あてに住所確認の書類が送られてきたので、本投稿の最後に詳細を追記する。(2016/7/21)

以下、利用方法を図解にするのでご参照ください。

1. TransferWise のページをブラウザで開きます。

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2. 送金元にJPYを、送金先には海外の銀行口座がある国(下記の例ではフィリピンの通貨PHP)を選択し、送金する金額を上段に入力します。すると、自動的に現在のレートで計算が行われ、着金する金額、手数料などが表示されます。問題なければ Get startedをクリックします。(追記:初回送金額は10万円以下にしないと、住所確認の手続きが完了するまで送金されませんのでご注意ください

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3. ALREADY A MEMBER? (すでに会員ですか?)と聞かれたら、初めて利用する場合は NOT YET をクリックします。二度目以降は YES をクリックしてログインします。

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4.  自分のメールアドレスと、適当なパスワードを入力して CONTINUE をクリックします。

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5. ステップ 1 of 5 の画面になります。送金したい通貨、金額と、Estimated arrival (着金予定日)を確認し、Continueをクリックします。※私が試したときは、着金予定日より3日早く届きました。

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6. ステップ2 of 5 の画面です。IS THIS PERSONAL OR BUSINESS TRANSFER? (これは個人/ビジネスの送金のどちらですか?)では Personal を選択します。

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7. ステップ2 of 5の続きです。 TELL US ABOUT YOURSELF ということで、送金者の名前、住所、職業などを入力します。ここでは送金元の日本の電話番号、住所を入力します。 Occupation欄には職業を入力しますが、下記の例では自営業(self owned business)としました。入力が完了したらContinue をクリックします。

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8. ステップ3 of 5は、WHO ARE YOU SENDING MONEY TO?(だれに送金しますか?)では、自分名義の海外銀行口座あてに送金する場合として、Myselfをクリックします。 海外口座が自分名義でない場合は、Someone else を選択してください。

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9. 送金先の情報を入力する画面が表示されますので、受取人口座の名義、銀行名、口座番号、受取人の電話番号を入力します。 送金先の銀行名は Bank Nameの右側のドロップダウンのボタンをクリックすると、送金先の国の銀行名がリストにありますので、その中から選択するだけでOKです。 面倒くさいSWIFTコードなどを探す必要もありません。口座番号、電話番号はハイフンなしで数字だけで入力します。(電話番号は桁数に制限があり、短すぎると受け付けませんでした。 下記の例では市外局番02の990-1234を29901234と入力しています。)

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10.  Verify というステップに進みました。 このステップは初めて利用するときにだけ必要なステップで、二回目以降は表示されません。 ここでマイナンバーカードに代わる個人の証明を行います。下記の赤枠内 If you are currently living outside of Japan and don’t yet have a My Number document, then please read the ‘Declaration Letter for Japanese Non-Resident’ section here (もし日本国外に居住していて、未だマイナンバーを持っていない場合は、’日本人非居住者申告書’の項を読んでください)の here の部分をクリックしてリンク先に進みます。

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11.  Verification for JPY Transfers というページが表示されます。ここでも下部の赤枠内 If you are currently living outside of Japan and don’t yet have a My Number document, then please click here for further instructions (もし日本国外に居住していて、未だマイナンバーを持っていない場合は、ここをクリックして詳細説明を見てください)の here 部分をクリックしてリンク先に進みます。

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12.  Declaration letter for Japanese Non-Resident ページ内の The declaration letter can be downloaded here (申告書はここからダウンロードできます) のhere部分を右クリックし、”対象をファイルに保存”で適当な場所にPDFファイルをダウンロードしてください。

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続いて Please print the letter out, and sign it by hand (文書を印刷し、手書きでサインしてください)とありますので、もしプリンタとスキャナを持っているようでしたら紙に印刷して署名欄にサインし、スキャナで画像にとってアップロードすればOKです。 私はスキャナを持っていなかったので、Windows用のAcrobat ReaderとAndroidスマホに入っているAcrobat Readerを使って手書きサインを入れました。 以下にその手順を解説しますが、プリンタとスキャナがある方は読み飛ばしてください。

①まず、AndroidスマホのAdobe Reader を起動し、Adobeのアカウントでログインします。 アカウントを持っていないときは途中で作成できますので適当に作成してください。

左上肩部分の家のアイコンをタップします。

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下部にSign in と出ますので、そこをタップしてログインするか新しいアカウントを作成してください。 ログインした状態で署名を作成すると、その署名をパソコン上のAcrobat Reader DC でも共用できるようになります。

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②適当な文書を開きます。 ここでは上記でパソコンにダウンロードした申告書をスマホに移動してから開いていますが、多分この文書に限らずなんでも良いと思います。(署名をクラウド上に記録するだけなので)

下記画像の赤枠部分のアイコンをタップします。

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③続いて下記画像の赤枠部分のペンのアイコンをタップします。

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④Place Signatureをタップします。

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⑤署名入力画面になりますので、ここで指でスマホ画面に署名をしてもいいのですが、ちっともうまく書けないので、下記画像赤枠内のカメラアイコンをタップしました。

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⑥白い紙にペンで手書きの署名をし、それをスマホのカメラで撮影します。

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⑦撮影すると、Crop Signature画面になりますので、薄い青枠を適当に調整し、署名部分を囲ったら右上のDONEをタップします。

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⑧署名画面に戻りますので、左下の Save Signatureがオンになっていることを確認し、右上のDoneをタップします。 これで署名はAdobeのクラウド上に記録され、今後はパソコンのAcrobat Reader で開いた文書に挿入することが出来るようになりました。

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⑨今度はパソコン上のAcrobat Readerで先ほどダウンロードした申告書を開きます。 こちらもAdobeのアカウントでサインインしてください。

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⑩文書を開いたら、右側メニューの 入力と署名 をクリックします。

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⑪上部の署名アイコンをクリックすると、先ほどスマホで記録した署名が出てきますのでそこをクリックしてください。

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⑫画面上に出てきた署名をマウスでドラッグし、申告書の署名欄まで移動してドロップすれば署名完了です。

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⑬申告書の日付欄は、マウスでクリックすると文字が入力できますので、キーボードで日付を入力します。

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⑭作業が完了したら署名が入った申告書を適当な場所に保存してください。

13. 申告書に署名し、ファイル(PDFかjpgなどの画像)に保存したら、先ほどの Declaration Letter for Japanese Non-Resident のページの、You can then upload a copy of the signed declaration letter here (署名した申告書はここからアップロードできます)の here をクリックします。

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14. 再度ログインを要求されるので、最初に作成したメールアドレスとパスワードの組み合わせでログインします。

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15. CONFIRM YOUR ACCOUNT DETAILS画面上の下部 Upload documentをクリックします。

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16.下記画面の赤枠部分に、先ほど署名して保存したPDFファイル(またはスキャナで撮った画像ファイル)をエクスプローラなどからマウスでラッグアンドドロップしてください。ドロップするとすぐにアップロードされます。

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17.ドロップした文書が表示されますので、間違いがなければ下部のSendボタンをクリックします。 間違ってしまった場合は文書上にマウスを動かすとゴミ箱が表示されますので削除してアップロードをやり直します。

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18. ここで10.のVerifyページに戻り、今度は日本の住民票、運転免許、住基カードのいずれかの表、裏の画像をアップロードします。 いずれも持っていない場合はパスポートの写真ページと日本の住所が書かれているページでもOKです。 スマホやカメラ、スキャナでいずれかのものの画像を撮影し、下記画像の Upload ID ボタンをクリックして、上記16.と同じ手順でドラッグアンドドロップでアップロードしてください。

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ここまでが初回利用時のみに必要な個人証明の手続きです。 二回目以降は不要です。

19. CONFIRM YOUR ACCOUNT DETAILS画面が表示されます。ここでは入力済の住所などが表示されますので、間違いなければ下部のContiuneボタンをクリックします。

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20. Purpose ステップではPAYMENT PURPOSE (支払いの目的)を選択します。 右側のドロップダウンボタンをクリックして適当なものを選んでください。 下記の例では General monthly living expenses (毎月の生活費)を選択しましたが、選択肢には旅行費用、医療費、授業料などいろいろありますので正しい目的を選んでください。

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21. ステップ 4 of 5になりました。 REVIEW DETAILS OF YOUR TRANSFER ということで、送金の詳細が表示されますので間違いがないか確認し、問題なければ Confirm ボタンをクリックします。

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22. TEAMS OF USE / 利用規約 が表示されます。 下部のほうに日本語もありますのでスクロールして目を通したあと、I have read and agree to the Terms of Use にチェックを入れてからCONFIRMボタンをクリックします。

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23.  ステップ 5 of 5 です。 HOW WOULD YOU LIKE TO PAY? (どうやって払いますか?)画面が表示されます。 ここで表示された銀行口座(下記では三菱東京UFJ銀行 恵比寿支店の普通口座 078xxxxが表示されています)あてに指定金額を日本円で振り込めばOKです。

注意することは、Use This reference という欄に表示されている番号で、この番号(例ではP2785624)を振り込み人の名義欄に追記しなければなりません。 オンラインバンキングで振り込みを行うときには、振り込み人名義を編集できるようになっていますので、この番号を入れてください。(私は名義を P2785624 Yamada Taro というように名前の前に入れました)

番号を入れ忘れると送金が遅延するようです。

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24.  指定口座への入金が完了したら、I’ve sent the money to TransferWise ボタンをクリックして完了です。 もしすぐに振り込みが出来ない場合は、I’ll do it later ボタンをクリックしておき、翌銀行営業日に振り込みを行えばOKです。(詳細はメールで通知が来ます)

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実際に試しに1万円を送金してみましたところ、

7月13日午前中 初めての利用で申告書や免許のコピーをアップロードし、振り込みを行った

7月13日午後 振り込みを受領した旨と、Verify完了次第送金手続きを行うという内容のメールを受信

7月14日午後 すべての手続きが完了し、送金を行ったとのメールを受信

7月15日 フィリピンの銀行の口座への入金が確認できた

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以上でTransferWise利用方法の解説は終了する。

利用してみた感想としては、とにかく手続きが簡単、手数料が安いのでこれまで利用していたGoRemitサービスよりも実際に受け取れる金額が多い、処理されるスピードも予想外に早いということ。

今後も、ちっとも連携していない日本の駄目な役所がつくったマイナンバーの変なルールに毒されず、サービスが継続されることを願っている。

※2016/7/21追記

7月20日になって、TramsferWiseから実家あて(初回送金時に登録した住所=免許証に記載されている住所)に封書が届いた。

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内容は上記画像のもので、TransferWiseにログインし、上記文書内の activation code (4桁の数字)を入力せよとのことだった。 幸い私の場合はまだ実家が手紙を受け取れる状況にあったので問題なく手続きが完了したが、非居住者で日本に手紙を受け取れる住所がない場合、あるいは免許証などの住所と一致していない場合には問題となる。

ついてはこの手続きの意味についてTransferWiseに問い合わせをしてみたところ、以下の回答を得た。

・一度目の送金、かつ10万円以下の場合は、アクティベーションを行わなくても本人確認書類(免許証などの画像)のみで送金可能

・二度目の送金、または一度目の送金額が10万円を超える場合はアクティベーションが必要:アクティベーションが行えない場合には送金はキャンセルされ、返金される。

郵便は転送不要・特定記録郵便で発送されているとのことなので、継続して10万円を超える送金をしたい場合には、日本国内で郵便が受け取れる住所を確保し、かつ免許証などの住所が記載されている証明書類と一致しているよう、事前に準備が必要なようだ。 具体的な方法はいろいろ考えられるが、日本の各種法律により住所の認証が行えない場合は日本円の送金が出来ないとのことなので、ここでは差し控えることとする。

所感:退職後に海外に移住する人が多くいるというのに、そういう人たちは日本で受け取る年金をどうやって送金すれば良いのだろうか。 まさか、年金を支払たくないのでわかっていて嫌がらせの法律を作ったんでは、と勘ぐってしまった。